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2026/1/6 18:41
台湾・日本のソーシャルコマース成功事例|売れた理由は商品ではない!?

【監修・コプラス開発体制について】
本記事は、我時朗(がじろう)が監修しています。我時朗は船井総合研究所にてネットショップ専門コンサルタントチームの責任者を務め、月商7億円以上の売上成長を支援してきたEC実務の専門家です。
コプラスは、がじろうが2016年から研究してきた台湾ソーシャルコマースの知見をもとに、
・2016年からソーシャルコマース専用カートを提供し、上場も果たした第一人者の Justin 氏
・KOL活用のみで、わずか2年で新たに売上40億円規模を生み出した 陳瑋廷(Eason)氏
という台湾の中核プレイヤー2名と共同で設計されています。
つまりコプラスは、
・日本のEC実務を熟知した専門家「がじろう」
・ソーシャルコマースシステムの第一人者「Justin」
・KOL活用で巨大な成果を出してきた実践者「Eason」
この3者が手を組むことで生まれた、日本でソーシャルコマースを本格的に成立させるための「実務・システム・運用」がすべて揃ったサポート体制が含まれています。
日本のEC実務、台湾のソーシャルコマース技術、KOL活用の現場知見、これらを同時に踏まえて設計・支援できる体制は、日本ではまだ多くありません。
目次
- ソーシャルコマース成功事例はすべて「商品が選ばれた話」ではない
- 選ばれたのは商品ではなく「この人から買いたい」という感覚
- 台湾事例① チーズスナック|わずか3週間。説明ほぼゼロで、450万円が動いた
- 「おいしい」より先に、「この人の基準なら間違いない」があった
- 生活者としての目線が、購買判断を肩代わりした
- 台湾事例② ツバメの巣|1箱15万円でも1人のインフルエンサーが2週間で350万円売上げる
- 月収に近い金額の商品が、普通に買われた
- それでも、2週間で350万円が売れた
- 商品の説明が、ほとんどされていなかった
- 買われたのは、商品ではなく「その人の判断」
- 高い商品ほど、「誰が勧めているか」が重要になる
- 台湾事例③ モバイルバッテリー|Web広告なしで2年で売上40億円を達成
- 広告なしで、2年で40億円まで伸びた
- あえて「安くしなかった」価格の決め方
- 「詳しい人」には、あえて紹介させなかった
- 伝えられたのは「性能」ではなく「使う場面」
- 判断の基準は「性能」ではなく「この人が使っているか」
- 高くした理由は、信頼を壊さないため
- この事例が教えてくれること
- 日本事例① ゲーミングチェア|1か月で、売上が40倍の月商2,000万円へ
- 1か月で、売上が40倍に跳ね上がった
- なぜ、ここまで売れたのか
- まず見せたのは、売るための動画ではなかった
- 「比べたうえで、これが一番」と言い切った
- 成約率が50倍に跳ね上がった理由
- この事例が教えてくれること
- 日本事例② アガベ|初月で月商300万円
- 育てている過程そのものが、信頼の証明になっていた
- フォロワー数ではなく“濃さ”が売上を決めた
- すべての事例に共通する「信頼が完成するまでの流れ」
- STEP1|まず「この人の言うことなら試してもいい」が生まれる
- STEP2|行動や継続発信が“本気度”として伝わる
- STEP3|価格・比較より「誰が言っているか」が優先される
- STEP4|購入が「この人を信じた証明」になる
- STEP5|「この人が選ぶなら間違いない」が文化になる
- まとめ|事例が示しているのは「何を売ったか」ではなく「信頼が先に完成していた」という事実
ソーシャルコマースの成功事例というと、
「この商品が売れた」「この施策で数字が出た」といった
“結果”だけが語られがちです。
しかし、台湾や日本の実例を丁寧に見ていくと、
そこには共通した、もう一段手前の事実が存在します。
それは——
商品が選ばれたのではなく、「誰から買うか」が先に決まっていた
ということです。
15万円の食品が迷われずに売れる。
特別な機能のないお菓子が、短期間で数千万円規模になる。
広告を使わず、フォロワー数も多くないのに、継続して売れ続ける。
これらは決して、
「商品の説明が上手かったから」
「売り方が巧みだったから」
起きた現象ではありません。
その背景には必ず、
「この人の選ぶものなら信じられる」
「この人から買うなら間違いない」
という感覚が、すでに完成していました。
本記事では、台湾・日本の具体的な成功事例を通して、
ソーシャルコマースにおいて
信頼がどのように積み上がり、どの瞬間に“購買に変わるのか”
そのプロセスを紐解いていきます。
商品を見る視点ではなく、
「信頼が完成するまでの流れ」という視点で、
事例を読み進めてみてください。

ソーシャルコマース成功事例はすべて「商品が選ばれた話」ではない
ソーシャルコマースの成功事例を振り返ると、
多くの人がまず「商品」に目を向けます。
なぜこの商品が売れたのか
どんな特徴が刺さったのか
価格設定やパッケージが良かったのではないか
しかし、実際の事例を丁寧に追っていくと、
商品そのものが決定打になっていないケースがほとんどです。
同じカテゴリの商品は、すでに世の中に無数に存在しています。
スペックや機能、成分だけを見れば、
「他と大きく違わない」ものも少なくありません。
それでも売れた。
しかも、高価格でも、比較されずに選ばれた。
この違いを生んでいるのは、
商品ではなく、その前に成立していた“関係性”です。
ソーシャルコマースの成功事例は、
「優れた商品が勝った話」ではなく、
「信頼が先に完成していた話」だと言い換えることができます。
選ばれたのは商品ではなく「この人から買いたい」という感覚
購入の瞬間、ユーザーが実際に判断しているのは、
「この商品は良いか?」だけではありません。
むしろ多くの場合、
この人が選んでいるなら安心できる
この人が勧めるものなら失敗しなさそう
この人を信じて一度買ってみよう
といった、人に対する判断が先に行われています。
この状態になると、購買行動は大きく変わります。
細かい比較をしなくなる
価格よりも「誰のおすすめか」が基準になる
購入が“情報収集”ではなく“信頼への反応”になる
つまり、選ばれているのは商品ではなく、
「この人から買う」という選択肢そのものです。
ソーシャルコマースが生み出しているのは、
一時的なヒット商品ではありません。
「誰から買うか」が固定されていく状態
それ自体が、最も大きな成果なのです。

台湾事例① チーズスナック|わずか3週間。説明ほぼゼロで、450万円が動いた
このチーズスナックは、
成分が特別だったわけでも、価格が安かったわけでもありません。
市場に出ているチーズスナックとしては、ごく一般的な商品でした。
それにもかかわらず、
1人のKOL経由で、わずか3週間で約450万円を売り上げました。これは、市場規模や物価が異なる日本に換算すると、約4,500万円を売り上げたのと同等のインパクトがある事例です
この結果を生んだ要因は、
「商品力」や「話題性」ではありません。
ポイントはただ一つ、
“この人の生活感覚なら信じられる”という前提が、すでに出来上がっていたことでした。
「おいしい」より先に、「この人の基準なら間違いない」があった
KOLが語った内容は、決して派手なものではありません。
味がすごく濃厚
チーズが本格的
高級感がある
といった、よくある食品レビューは、ほとんど語られていませんでした。
代わりに強調されたのは、
仕事中でも手が汚れない
個包装だからデスクに置いておける
パッケージが小さく、ゴミ捨てが楽
小腹が空いたときに“ちょうどいい”
という、日常の使われ方です。
ここで重要なのは、
フォロワーが反応した理由が
「おいしそう」ではなかった点です。
フォロワーが感じたのは、
この人が“普段の生活の中で選んでいる”なら、
私の生活にも合うはずだ
という感覚でした。
つまり、
味の評価ではなく、生活基準そのものが信頼されていたのです。
生活者としての目線が、購買判断を肩代わりした
この事例で起きていたのは、
情報提供ではなく、判断の肩代わりです。
本来、ユーザーはこうした判断をします。
自分の生活に合うか
面倒ではないか
続けられそうか
無駄にならないか
しかしこのチーズスナックでは、
その思考プロセスがほぼ省略されていました。
なぜなら、
すでに信頼している人が
自分と似た生活リズムの中で
「これがちょうどいい」と使っている
その事実だけで、
「考えなくても大丈夫」という状態が生まれていたからです。
この瞬間、
商品は「比較対象」ではなくなります。
代わりに、
この人の感覚を信じて選ぶ
という、
人起点の購買に切り替わります。
チーズスナックが売れた理由は、
「おいしかったから」ではありません。
“この人の生活感覚を信じたい”と思われていたこと
それこそが、すべての起点でした。


台湾事例② ツバメの巣|1箱15万円でも1人のインフルエンサーが2週間で350万円売上げる
今回の事例も高額商品が売れた話で本質ではありません。
本当に注目すべきなのは、
15万円という価格を見ても、多くの人が立ち止まらずに購入を決めていたという点です。
月収に近い金額の商品が、普通に買われた
紹介されたツバメの巣は、一箱15万円です。
台湾では、四年制大学を卒業した人の初任給が、だいたい13万円ほどだと言われています。
つまりこの商品は、
一箱買うだけで、1か月分の給料がほぼ消える金額です。
日本に置き換えると、
「よく知らないブランドの食品を、30万円でネット購入する」
それくらいの感覚になります。
普通に考えれば、
本当に必要か
もっと安いものはないか
買って後悔しないか
こうしたことを、かなり慎重に考えるはずです。
実際、この条件の商品がネット販売で成立することは、ほとんどありません。
それでも、2週間で350万円が売れた
ところがこのツバメの巣は、
知名度がほとんどない状態から、わずか2週間で350万円分が売れました。
日本で同じ規模感に直すと、
2週間で3,500万円売れたのと同じくらいのインパクトになります。
では、なぜそんなことが起きたのでしょうか。
商品の説明が、ほとんどされていなかった
実はこの販売では、
成分が何mg入っているか
他の商品と比べてどこが優れているか
科学的な根拠がどうか
といった説明は、ほとんど前に出ていませんでした。
代わりに伝えられていたのは、とてもシンプルなことです。
「私はこれを選んでいます」
「私はこれを続けています」
「私はこれに自分のお金を払っています」
つまり、
紹介した人自身の選択と行動だけが示されていたのです。
買われたのは、商品ではなく「その人の判断」
これを見たフォロワーが受け取ったのは、
「すごい商品です」という宣伝ではありません。
「この人が、
自分の美容や人生に関わるものとして、
実際にこれを選び、続けているなら、
自分も信じていいかもしれない」
そう感じた、ということです。
このとき起きていたのは、
商品を評価して買うという行動ではありません。
「本当に良いかどうかを自分で調べて決める」
その手間を、
信頼している人に任せた、という行動でした。
高い商品ほど、「誰が勧めているか」が重要になる
金額が高くなるほど、人は慎重になります。
失敗したくない、後悔したくないという気持ちが強くなるからです。
そのため、
成分
効果
スペック
レビュー
をどれだけ並べても、不安が消えないことも多くなります。
そんなとき、最後に決め手になるのは、
誰が勧めているのか
その人は、自分のお金や生活をかけてでも信頼できる人か
という点です。
このツバメの巣の事例は、
価格の高さが問題だったのではなく、
信頼できる人がいるかどうかが、そのまま購入を左右した
ということをはっきり示しています。

台湾事例③ モバイルバッテリー|Web広告なしで2年で売上40億円を達成
台湾のモバイルバッテリーメーカー
モステック(Mosteck)
の事例は、「価格」や「性能」で勝った話ではありません。
むしろ逆で、
価格や性能で比べられない状態を、最初から作っていたことが成功の理由です。
広告なしで、2年で40億円まで伸びた
モステックは、ウェブ広告をほとんど使っていません。
テレビCMも、検索広告もありません。
それでも、ソーシャルコマースだけで、わずか2年で売上40億円に到達しました。
台湾の市場規模は日本よりかなり小さいため、
日本に置き換えると、2年で400億円規模の売上を作ったのと同じです。
結果として、モステックは台湾最大級のモバイルバッテリーブランドに成長しました。
あえて「安くしなかった」価格の決め方
モバイルバッテリーといえば、
普通は価格や性能で比較されます。
実際、市場にはAnkerのような、有名で安定したブランドがすでに存在しています。
モステックは、ここで意外な選択をしました。
スペックは同程度
それでも価格は 1.2〜1.3倍ほど高く設定
安くして勝負するのではなく、
あえて高めに設定したのです。
この価格差は、単なる利益上乗せではありませんでした。
後に重要な役割を果たします。
「詳しい人」には、あえて紹介させなかった
ここが、この事例でいちばん重要なポイントです。
モステックは、
ガジェットに詳しいインフルエンサーを、最初から避けました。
なぜなら、詳しい人に紹介してもらうと、
容量は何mAhか
充電速度はどうか
他社と比べてどうか
という話になり、
必ず比較されてしまうからです。
そこで起用したのが、
アパレルやライフスタイル系のKOLでした。
伝えられたのは「性能」ではなく「使う場面」
彼女たちが話していたのは、スペックではありません。
服に合わせやすい
バッグに入れても違和感がない
旅行のときにちょうどいい
見た目が可愛いから持ちたくなる
という、日常の中での選び方でした。
これによって、
モバイルバッテリーは「ガジェット」ではなく、
持ち物の一部、ファッションの延長として見られるようになります。
その結果、
「どの製品が一番いいか」という比較自体が起きにくくなりました。
判断の基準は「性能」ではなく「この人が使っているか」
フォロワーが気にしていたのは、
このバッテリーは一番性能がいいか
ではありません。この人が、普段これを選んで使っているか
という点だけでした。
つまり、
「どれを買うか」ではなく、
「誰の選択に乗るか」
という判断に切り替わっていたのです。
そのため、
価格が少し高いことは、ほとんど問題になりませんでした。
高くした理由は、信頼を壊さないため
先ほどの「1.2〜1.3倍」の価格設定には、意味があります。
高すぎると違和感が出る
安すぎると安売り競争に巻き込まれる
その中間の、納得できる上乗せでした。
この上乗せ分は、
KOLにきちんと報酬を支払うため
無理な紹介や誇張をしなくても成り立つ関係を保つため
に使われています。
結果として、
フォロワーは「この人が使っているなら安心」
KOLは「責任を持って勧められる」
メーカーは「広告費に頼らず売れる」
というバランスが成立しました。
この事例が教えてくれること
モステックの事例が示しているのは、
性能が一番だから売れた
価格が安いから勝った
という話ではありません。
「比べられない状態を先に作った」
それがすべてです。
商品は、選ばれたのではなく、
信頼された人の選択の“あと”についてきた。
モバイルバッテリーのように、
本来は比較されやすい商品であっても、
誰の言葉で
どんな文脈で
届けるかを設計すれば、
価格やスペックの競争から外れることは可能です。


日本事例① ゲーミングチェア|1か月で、売上が40倍の月商2,000万円へ
この日本のゲーミングチェアメーカーの事例も、
「上手く売った話」ではありません。
ポイントはとてもシンプルで、
「この分野に本当に詳しい人が、そこまで言うなら信じよう」
という気持ちが、購入の決め手になったことです。
1か月で、売上が40倍に跳ね上がった
もともとこのメーカーは、
Yahoo!やAmazon、楽天などのモールで、
月商50万円ほどの規模で販売していました。
そこから、
ゲーミングチェア専門のYouTuberに依頼したところ、
翌月には月商2,000万円にまで伸びます。
さらに、在庫がなくなったあとも、
予約販売だけで毎月500万円
半年間で合計5,000万円以上
を、そのYouTuber一人から生み出しました。
なぜ、ここまで売れたのか
理由は、
「たくさんの人に見られたから」ではありません。
このYouTuberは、
ゲーム用の椅子を長年レビューし続けてきた、
いわば“椅子にうるさい人”でした。
視聴者にとっては、
流行っている人
なんとなく有名な人
ではなく、
「この人なら分かっている」
という立ち位置だったのです。
まず見せたのは、売るための動画ではなかった
最初に公開された動画は、
いきなり「この椅子がおすすめです」という内容ではありません。
YouTuberがメーカーの工場まで足を運び、
どんな工程で作られているか
どこにこだわっているか
を、自分の目で確かめる様子を伝えました。
この動画の役割は、
売ることではありません。
視聴者に、
「この人は、
気に入らないもののために
わざわざ工場まで行ったりしない」
そう思わせるためのものでした。
「比べたうえで、これが一番」と言い切った
次の動画では、
複数のゲーミングチェアを並べて比較しています。
定番の商品
少しクセのある商品
今回のメーカーの商品
その中で、YouTuberは最終的に、
「コスパが一番いいのは、これ」
と、はっきり結論を出しました。
ここで重要なのは、
“迷いながら紹介していない”という点です。
視聴者は、
自分で何十脚も調べる
レビューを読み漁る
代わりに、
「この人の結論に乗ろう」
という判断をしました。
成約率が50倍に跳ね上がった理由
実際、この動画からの成約率は、約5%。
同じYouTuberが、
単純な価格比較だけで紹介したときは、
0.1%程度でした。
つまり、
情報だけを並べたとき → ほとんど売れない
専門家が背景まで見て、結論を出したとき → 一気に売れる
という結果です。
売れた理由は、
安かったからでも、
機能が突出していたからでもありません。
「この人が、そこまで調べて言うなら間違いない」
そう思わせるだけの信頼があったからです。
この事例が教えてくれること
このゲーミングチェアは、
「選ばれた商品」ではありません。
「信頼されている人の判断のあとについてきた商品」
だったと言えます。
特に、選択肢が多く、
比較が面倒な商品ほど、
誰が言っているか
どこまで本気で調べているか
が、そのまま購入理由になります。
「詳しい人が、そこまで言うなら信じよう」
この一言で決まる状態を作れたことが、
月商40倍という結果につながったのです。

日本事例② アガベ|初月で月商300万円
このアガベの事例は、ソーシャルコマースの本質として最もわかりやすいです。
実は、このインスタグラマーのフォロワーは約3,500人、いわゆる“マイクロインフルエンサー”でした。
それでも月商300万円できたのは、売り方がうまかったからではありません。
育てている過程そのものが、信頼の証明になっていた
このKOLがやっていたのは、アガベを「販売するために見せる」ことではなく、育てる日常を、ただ継続して見せることでした。
種から育てる、発芽〜成長の記録を、10ヶ月以上かけて投稿し続ける
成長の遅さも含めて共有する
失敗や枯れかけた様子も隠さず投稿するなど、ただ“育て続ける姿”を見せる
植物、とくにアガベは、誤魔化しが効きません。
知識が浅いと枯れるし、短期で急な“成長”もしないのです。
だからこそ、続いていること自体が信用になりました。
10万個の種から育て始め、発芽時点で約90%を手放し、その後も選別を繰り返して、最終的に残った0.01%だけを販売する。
この過酷な選別プロセスを公開していたからこそ、フォロワーはこう思えるようになります。
この人が「残した」と言うなら、間違いない
この人が「出す」と言うなら、欲しい
つまり、商品説明ではなく、時間と手間が「この人の判断」を証明していたわけです。
フォロワー数ではなく“濃さ”が売上を決めた
この事例の強みは、フォロワーを増やすことより、「買う人だけが残る場」を作っていたことです。
わかる人にだけ届けばいいという姿勢は、一般的には“伸びにくい”運用です。
しかし、
価値観が合う人だけが残る
コメント・DMの密度が濃い
というソーシャルコマースでは、かなり強い状態が生まれました。
この人は、アガベについて詳しすぎる。
この人のいうことは間違いない。
と、残ったフォロワーは考えるようになっていました。
そのため、
この人が「譲ります」「販売します」と言った瞬間から、
フォロワー3,500人でも月商300万円が成立したのです。
「この人から買いたいと思う人が、何人いるか」
その“濃度”こそが、
ソーシャルコマースでの売上に繋がります。


すべての事例に共通する「信頼が完成するまでの流れ」
台湾・日本の成功事例を横断して見えてくるのは、
売上が生まれるまでには、必ず同じ順番の「信頼の変化」があるという点です。
これは才能や偶然ではなく、
人が「この人から買ってもいい」と判断するまでの、ごく自然な心理プロセスです。
STEP1|まず「この人の言うことなら試してもいい」が生まれる
最初から強い信頼があるわけではありません。
投稿が誠実そう
言っていることに一貫性がある
自分の価値観と近い
こうした小さな共感がきっかけになります。
この段階では、
絶対に正しい
失敗しない
ではなく、
失敗しても、この人の感覚なら納得できそう
という、軽い許容が生まれている状態です。
STEP2|行動や継続発信が“本気度”として伝わる
次に効いてくるのは、言葉ではなく行動です。
長く同じテーマを扱っている
実際に使い続けている
手間のかかることをやっている
不都合な面も隠さない
こうした積み重ねによって、
この人は、本気でこれと向き合っている
という認識が形成されます。
ここで初めて、
「情報」ではなく「人」への信頼が芽生え始めます。
STEP3|価格・比較より「誰が言っているか」が優先される
信頼が一定ラインを超えると、
判断基準が大きく変わります。
最安値かどうか
スペックの細かな違い
他社との比較
よりも、
この人が選んでいるか
この人が勧めているか
が、購買の決め手になります。
これは「思考停止」ではなく、
信頼できる人に判断を預ける合理的な選択です。
STEP4|購入が「この人を信じた証明」になる
この段階での購入は、
単なる消費行動ではありません。
この人を信じた
この人の基準を選んだ
という、意思表示になります。
だから購入後に、
投稿する
感想を共有する
他人に勧める
といった行動が自然に生まれます。
購入そのものが、
信頼関係を深めるイベントとして機能し始めます。
STEP5|「この人が選ぶなら間違いない」が文化になる
最終的に起こるのが、
個人の信頼がコミュニティの空気になる状態です。
新しい商品でも迷われない
説明が長くなくても売れる
比較されにくくなる
これはもう「一人の影響力」ではありません。
この人から買うのが当たり前
という文化ができあがっています。
この段階に入ると、
売上は“頑張って作るもの”ではなく、
信頼の延長線上で自然に生まれるものになります。
まとめ|事例が示しているのは「何を売ったか」ではなく「信頼が先に完成していた」という事実
ここまで見てきた台湾・日本のソーシャルコマース事例は、
一見するとジャンルも価格帯もバラバラです。
数百円のお菓子
15万円の高額食品
家電
家具
植物
しかし、共通しているのは
「商品が優れていたから売れた」わけではないという点です。
これらの事例では、
購入の前にすでに
この人の基準なら信じられる
この人が選ぶなら大きく外さない
この人の判断に乗ってみたい
という信頼の前提が完成していました。
つまり、
何を売るか
ではなく
誰の判断として提示されたか
が、売上を決めていたのです。
だからこそ、
高くても迷われない
比較されにくい
広告費をかけなくても広がる
といった現象が起きます。
これは「モノ売り」でも「コト売り」でもありません。
「人の判断が価値になる売り方」です。
ソーシャルコマースとは、
売り込みの技術ではなく、
フォロワー数の多さでもなく、
信頼がどの順番で育ち、
どこで購買に変わるのか
を理解し、それを崩さずに続ける営みです。
事例が教えてくれているのは、
「売り方のテクニック」ではなく、
信頼が先に完成していれば、売ることは後から自然についてくる
という、ごくシンプルな事実でした。
この視点を持てるかどうかで、
ソーシャルコマースは
「一時的な成功事例」になるか、
「長く続く仕組み」になるかが分かれます。
そして次に考えるべきなのは、
その信頼を、どうやって壊さずに運用していくかです。

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